2011・12・8 保健福祉常任委員会
第3期北海道障がい福祉計画について
1 計画の位置づけについて
(質問)
第3期北海道障がい者福祉計画は、障害者自立支援法に基づく
都道府県計画として道が作成すると承知しているが、
たとえば、国との事前協議が必要だった防災計画などが
本年4月から報告でよいとされるなど地域主権改革が
少しづつだが進んでいるところだ。
この第3期障がい福祉計画は、地域主権の観点から
どのような位置づけにあるのか改めて確認したい。
その上で、北海道障がい者条例を有する北海道として
地域特性をどのようにふまえ
北海道独自に重要と位置づけている事項は何か
伺います。
(回答)
この計画は障害者自立支援法に基づき、
国の基本指針に即して定めるものであるが
道としては、
地域生活移行などの項目において、数値目標を定めることとし、
施設入所者の地域生活移行者数や
入院中の精神障がい者の退院者数などについては、
指針で示されたものとしているものの、
福祉施設からの一般就労への移行者数や
障がい福祉サービスの必要見込み量などは、
市町村の積み上げによるものを数値目標としているところ。
道としては、この数値目標の達成などに向け、
「地域生活支援体制の充実」や
「サービス提供基盤の整備」などの施策に加え、
道独自の施策として
「北海道障がい者条例の施策の推進」や
児童福祉法の改正による障がい児支援の強化に対応した
「障がい児支援の充実」、
東日本大震災の体験を生かす
「災害に備えた地域づくりの推進」についても
本計画に盛り込み取り組むこととしている。
2 サービスの提供体制の現状と評価について
第3期計画の策定にあたって、
第2期計画に基づくサービス提供体制の現状を評価されているが
その評価がこの第3期計画策定に
どのように活かされたのか伺います。
(1) 地域生活移行状況の現状と課題について
平成17年から平成23年の地域生活移行者数は
これから具体的に集約されるところと承知しているが
平成22年時点で、1775名が地域生活に移行し
移行先としては、グループホーム、ケアホームが
最も多くなっています。
グループホーム、ケアホームは、指定基準の規制
緩和が図られたことなどにより、平成23年4月現在で
数としては377箇所、定員が6,555人と
約2.2倍の大幅な伸びとなっています。
言うまでもありませんが、施設から地域へという
政策の流れは、「施設から出す」ことが目的でなく
助けを必要とする人が、必要な助けを受けながら
自己決定・自己選択など尊厳を持って暮らす
地域社会をつくることが目的であったと考えます。
道としては、グループホーム、ケアホームの
質の確保について何が必要で、
今後取り組みをどのようにされるのか伺います。
また、行政の監査では限界があり、
地域に開かれた運営の透明性の確保も重要となると
考えるが、道としてはどのように取り組まれるのか
伺います。
また、行政の監査では限界があり、
地域に開かれた運営の透明性の確保も重要となると
考えますが道としてどのように取り組まれるのか
伺います。
NPO団体など民間団体がチェックをするしくみもあると聞くが
道内での導入状況などをうかがいます。
(回答)
グループホームなどのサービスの質の確保にあたっては
指定基準に基づく職員配置や設備、
利用者の心身の状況等に応じた適切なサービスの提供、
地域との連携の強化などが必要と考えており
それを確認するため、道としては、事業所の指定申請の
際の審査とともに、指定後において、
3年に1度、実地指導を行っているところ。
また、サービスの質の向上や利用者への情報提供を目的に、
平成17年度に福祉サービス第3者評価制度が創設され、
現在、道内では、NPOなど民間の11団体が、
グループホームなどに対し、運営管理や
サービスの実施状況などについて評価・公表しているところ。
道としては、今後とも、指導監査要綱に基づく
実地指導などを行うとともに、第三者評価制度の活用を促すなど
グループホームなどにおける
サービスの質の確保に努めてまいる考え。
(2) 入院中の精神障害者の地域移行目標について
(質問)
入院中の精神障がい者の地域生活への移行目標について
中央政府は2つの指標を定めたと承知している。
道としても、中央政府の指標にそくして
1年未満入院者の平均退院率を72.2%
から76%へ、
また、5年以上かつ65歳以上の
退院者数を現在よりも20%増加との数字が掲げられた。
私の受け止めとしては
道民のみなさんと課題を共有するには
その政策目的は、非常にわかりづらい指標となっている。
精神障がい者の地域生活移行については
精神科病床数の削減や
閉鎖病棟などの状況も含めた治療内容の情報公開や
投薬偏重ではない
患者本位のコミュニケーション重視の医療が重要であり
この指標では非常にわかりづらい。
また、5年以上かつ65歳以上の退院者数を
20%増加という数字も
認知症による社会的入院を減らし
地域で暮らせるようにしようというのが
政策の目標だと思うが
それがわかりづらい。
道として独自の道民のみなさんと
共有するための議論が出来るような
福祉計画にしなければいけないのではないでしょうか?
道として独自の目標設定をする考えはあるのか
うかがいます。
(回答)
精神障がい者の移行目標についてでありますが
都道府県障害福祉計画は障害者自立支援法において
「入院している精神障害者の退院の促進に
資するものでなければならない」と定められているところ。
このため、道では、国の基本指針に基づき
第3期計画の精神障がい者にかかる目標を、
急性期の入院の長期化を防止する観点から
「1年未満入院者の平均退院率」と、
長期・高齢入院者の退院促進の観点から
「5年以上かつ65歳以上の退院者数」の2点とし
今後も精神障がい者退院の促進に取り組んでまいる考え。
なお基準病床数など精神疾患の医療提供体制に関する
事柄については、今後、国から示される予定の
医療計画の指針に基づき、
来年度に策定する次期医療計画のなかで
検討してまいる考え。
(3) 成年後見制度の活用について
(質問)
障害を持つ人の地域生活を支えるためには
障害福祉サービスなどの提供体制の整備だけではなく
本人の権利を守り、適切な支援へとつなげていくことが
できるよう、成年後見制度の活用などについて
取りくむべきと私は考えるが、道の見解をうかがいます。
また、第3期計画においては
どのように位置づけるのかうかがいます。
(回答)
成年後見制度についてでありますが
物事を判断する能力が十分ではない
障がいのある方々の権利を守る上で
成年後見制度の利用の促進を図ることが重要と考えており
道では、
成年後見制度の利用を必要とする障がいのある方々への
市町村の取組に助成してきたところ。
こうしたなか、障害者自立支援法の改正に伴い
全ての市町村において成年後見制度の利用促進が図られるよう
見直しが行われたため
道としては、本年3月に「事例集」を作成して
市町村での申し立て事例や、支援事業の実施要綱例を示すなど
すべての市町村においてその取組が促進されるよう
努めてきたところ。
今後は来年度にスタートする
第3期北海道障害福祉計画において
「権利擁護の推進」を基本方針として位置づけ
市町村における成年後見制度に対する取組を
支援するとともに、道のホームページを活用して周知を行うなど
障がいのある方々の本制度の利用促進が図られるよう
努めてまいりたい。
(4) ライフサイクルに応じた関係機関との連携について
(質問)
道内の特別支援学校高等部の平成23年卒業者803人のうち
就職は138人で全体の17.2%にとどまっており、
福祉施設利用は608人で全体の75.7%、進学は26名で
全体の3%未満となっています。
いわゆる特別支援高等部の役割や機能も
地域生活移行を考えるとき見直しが必要である。
また、関係機関との連携について考える上で
とくに問題提起したいのが視覚障害者の
進路選択や就労の支援である。
近年、視覚障がいにおいても、学習障がいによる
新しいタイプの視覚障がいなど、障がいが多様になっており
はり・きゅうを中心とした進路指導では対応できない
相談も私自身お受けしているところである。
他部になりますが
道の障害をもつひとの職業訓練施設においても
制度上は視覚障がい者を受け入れられることになっているが
実績もなく、立地も悪く
実際には機能していない。
今後、第3期計画において
将来の就労を見据えた関係機関との連携による
ライフサイクルをトータルに考えた支援について
どのように取り組んでいくのか伺います。
(回答)
特別支援学校の生徒について
本人の適性や希望に応じた就労先を確保するためには
福祉、教育、労働などの関係機関が
より密接に連携することが重要であると考えているところ。
このため、道では、これまで
「障害者就業・生活支援センター」を設置し、
特別支援学校やハローワーク、障害者職業センター
自治体などの関係機関の連携により、
在学中の就職に向けた準備支援から職場定着までの
一体的な支援に努めてきたところ。
今後は、こうした取組に加え、
ライフサイクルを通じた支援を継続するための
情報などをつなぐファイルを導入するなどして
個々の障がいのある方々のニーズに応じた
切れ目のないよりきめ細やかな就労支援に
努めてまいる考え。
(5) 障がい福祉計画における障がい種別の扱いについて
(質問)
障がいの種別を超えて、すべての障がいを持つ人に
地域生活移行支援や就労支援を目指していくという理念は
基本的に賛成する立場ですが、この計画のなかに視覚障がい、
聴覚障がいについての現状の把握などについて
記載がないのが気になります。
身体障がいのなかにカウントされている、施策としても
含まれているのは承知していますし、
個別の障がいのことを一つ一つ取り上げるべきとは
思いませんが
視覚・聴覚はコミュニケーション障がいであり
それぞれの固有の文化や特性があります。
その特性を踏まえた上での計画策定であるべきと
考えますが見解をうかがいます。
(回答)
北海道障がい福祉計画は、3障がいを一元化し、
身近な地域でサービスが利用できる社会づくりを
目的とする障害者自立支援法に基づき
策定する計画である。
道においては、来年4月からスタートする
第3期北海道障がい福祉計画において、
地域生活への移行や就労支援の目標について、
障がい者全体を対象に定めるほか
視覚や聴覚障がいのある方々に対しては
移動や情報提供などの特性に応じた
支援が必要であることから、同行援護や移動支援
コミュニケーション支援などの
利用者数を見込むこととしているところ。
また、その取組として、従事者の養成などによる
移動支援の充実や全道的な手話通訳の
広域派遣体制の整備などを
盛り込むこととしており
視覚や聴覚障がいのある方がの特性に応じた
支援体制の充実に向けて
積極的に取り組んでまいりたい。